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2008年2月22日
■超高齢化時代の日本の住まいはどうあるべきか   1/3
 (相応しい社会システムのデザインを作ろう)

はじめに

かつて、私は「都西タイムス」新聞に「設計デザイン大国目指せ日本」と言う小論文を掲載した。
これから超高齢化時代を迎えつつある現代の日本の住まいは、まずそれに相応しい社会システムのデザイン確立が急務であると私は考える。私は日本の官僚はデザインというものを皮膚感覚では分っていない、学者はデザイン・セオリーと言葉は使うが、デザイン・プラクティスのことは分らないように感じている。私は建築家として実務的に皮膚感覚でこれらを理解でき、その大切さを日々痛感している。今や75歳以上の後期高齢者が日本の人口の2割を占める時代は目前である。

日本の将来の住まいがどうあるべきかに論を収斂させるべく、日本再生のための消費生活の拡大をどう図るかを論じ、超高齢化時代の日本の住まいはどうあるべきか、どうなるか、またそれに相応しい社会システム・デザインはどのようなものであるべきかを考察してみよう。本稿はあえて「デザイン」と言う言語を用いて論を進めたい。

消費振興システムの確立 その1
 別宅所有(2箇所居住)が都市と住まいを変える

 まず「社会システム」と言う言葉を定義しておきたい。それは「消費生活者への価値提供の仕組み」のことである。技術論だけではなく、社会の価値感に影響するものである。実社会でも実践的有効性を優先するものとして考えたい。既存の産業(通信業・小売業・建設業・金融業など)を横断し、消費生活者の価値を創造し提供するものである。
 私は「社会システム」はデザインできると実感している。社会をシステムとして理解し直感的に統合する、知識と知恵だけでは駄目で、訓練がポイントとなる。訓練とは眼に見えないことを実感しその経験の集積をすることである。知識人と言われる人種はその訓練が圧倒的に足りない。官僚しかり、学者しかり、政治家しかり皆落第である。「超高齢化社会」はかつて人類が経験したことの無い未知の分野であり、「寝たきり老人」を減らし「活動的な歩き廻り元気老人」を増やし、社会参加と責任感・達成感を高齢者に与え続ける事が最大の課題である。
 この課題は政府の一省庁の権限内では解決不可能で、これらの省庁を横断するシステムの確立が求められる。1000兆円を超える金融資産を持つと言われる高齢者は巨大な潜在消費市場であり、定期的に若干の収入さえあれば消費を画期的に拡大させる力がある。金を自分では使わず子孫に残したい人も多いだろうが、消費に回したくなるシステムを作る事が経済の活性化に繋がる。団塊の世代が60歳を超える今こそ、この社会システムを作る好機である。
 1週間を3日か4日働いて暮らし、別宅を持つ2箇所居住の時代が目前に来ている。拡大首都圏約4千万人のうち、少なくとも1千万人が東京とその近隣に居住し、週末定期乗車券を使って新幹線などで往復する2箇所居住が普通になるだろう。国土交通省はこのほど2地域居住人口の将来イメージをまとめた。2地域居住は、都市住民が年間1〜3カ月程度の定期的・反復的に農山漁村などの同一地域に滞在することを指す。
 それによると、現在の2地域居住人口は約100万人(人口比2.5%)で、20年には約680万人(同17%)、30年には約1,080万人(同29%)になると推計した。
 そのため同省では、施策案として10年を第一段階とすると、 ?都市と農山漁村を結ぶ共同の情報発アンテナショップの設置、?地域におけるワンストツプ情報支援センターの設置、?安全性などの評価を含む「空き家検地」調査の実施、?各種交通費負担の軽減策の実施、?「趣味のサークル」などの普及支援を提案した。
 同省が人口30万人以上の都市に住む15〜79歳1万491人に調査したところ、現在すでに2地域居住を「行っている」と回答した人は全体の2.5%だった。また、「将来行いたい」と答えた51.5%のうち36.1%が将来は「資金・時間などの制約が解決されれば行いたい」と答えた。
 現在2地域居住を行っている人の利用施設をみると、「同居家族の住宅・別荘・仕事場」が47.6%で最も多く、次いで「同居していない家族等の住宅・別荘・仕事場」(35.1%)だった。一方、「将来行いたい」人の希望利用施設は「一般宿泊施設」が最も多く43.7%だった。「同居家族の住宅・別荘・仕事場」は28.5%、同居していない家族等の「住宅別荘・仕事場」は16.2%だった。
 1998年7月「優良田園住宅の建設の促進に関する法律」が施行され、長年“ウサギ小屋”といわれてきた日本人の住宅事情を、田園地帯に2戸目の住宅を持つことで大幅に改善することを狙っている。これまで自然環境に恵まれた緑地(市街化調整区域や農業振興関係指定)は厳しい規制が設けられている。この法律はその規制を緩和し、優良なする開発行為であればそれを認めるというものである。建設が促進される優良住宅の要件は、同法施行令によると「敷地面積が300?以上の広さを持つ3階建てまでの一戸建て住宅」となり、1戸(1区画)の建設から団地規模の開発までが対象となります。
 さらに、「田園住宅』の供給を促進するため各種の優遇策も用意されている。2戸目の住宅を取得・保有する場合にも、不動産取得税・固定資産税の特別軽減措置や住宅金融支援機構の融資可能などである。開発に当たっては、地方自治体(市町村)が基本方針を作成し、市町村の計画認定を受けたものが各種の優遇策の対象となります。遊休地や休耕地を抱えている地域などは、地域活性化の視点から田園住宅建設を歓迎する動きも出ている。
 ウィークデーは都心のマンションに居住し、ウィークエンドには緑豊かな田園地帯で過ごすというマルチハビテーション(複数地居住)は、ゆとりある暮らしを象徴すスタイルでしょう。ちなみにセカンドハウスの普及状況(住宅ストック数に占める割合)は、わが国は1.6%であるのに対して、アメリカでは2.6%、フランスは9.2%となっています。この法律制定の背景には、住宅投資の促進で景気回復をという経済対策の狙いもあり、建設業界のみならず新需要の創造と言う追い風の措置であると言えよう。私は拡大首都圏では1千万人を越すと思う。この事は地方活性化に寄与し日本の生きる道なのである。今日本を逃れ海外で年金暮らしをしている人々が、国内回帰をするのは目前である。女性は現実的なので、既存のコミュニティがなくなるのを嫌い田舎暮らしは望まず、地方と都心の2箇所居住を望む傾向が強い。地方の受け入れ先の体制整備も肝心であるが、2箇所居住が近い将来定着することは疑いない。
 既存住宅購入、高齢者移動に伴う新交通サービス市場の充実、耐久消費財需要の拡大、さらに高齢者雇用市場の拡大等の良い循環の新市場が生まれるだろう。別宅に不在の時は管理人を置いて常時賃貸するか、外国人も含め旅行者に賃貸してローン代を稼げばよい。そのために各室にバス・トイレ・洗面・キッチンのあるワンルーム形式が望ましい。IT設備も完備した居間は談話室、会食のスペースとなり良好なコミュニティが保たれる。

次回号につづく


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