header
 

2008年4月4日
■改正建築基準法の余波!投げ売りが始まる
 
長島 修(さくら事務所会長)


 「住まい」に関する法律で先ず注目すベきは、昨年六月に施行された改正建築基準法だろう。鉄筋コンクリート造りで高さ20メートル超、木造で同13メートル超の建物の建築確認について、自治体や民間碓落検査歳閑が確認した構造計算を、さらに専門家が審査するビアチェック(ダブルチェック)の制度が始まった。
 その結果、建築確認の期間は従来の21日から最短でも60日まで延びることになった。
 本来、国土交通大臣が認定した構造計算のソフトで再計算をしておけば、審査が簡素化されることになっていたのだが、そのソフト自体まだ完成してない。
 また、ビアチェックを行う専門家の数も不足している。誤字や脱字を理由に書類を突き返されたという詰も漏れ伝わってくる。いかにせよ、施行後いまだに、一つも建築確認が取れていないデベロッパーがあるくらい、現場の混乱は続いているのだ。

 そうしたなか、1月21日に不動産経済研究所は、昨年の首都圏における新築マンションの販売戸数が前年比1,81%減の61,021戸となり、1993年以来14年ぶりの低水準になったことを明らかにした。改正建築基準法によって供給力が弱められた影響が徐々に出始めているわけで、これからも「官製不況」の原因としてやり玉にあげられていきそうだ。
 ここで買い手として日を向けておきたい事は在庫マンションが積み上がっている点だ。同研究所の調査では、昨年末の首都歯での在庫は10,763戸で、5年ぶりに1万戸の大台に乗せた。しかし、専門家の感触では12,000戸近くに達していると言っている。この数字は通去最高の水準である。

 今後、供給調整が続くなか、各デベロッパーは抱えていた在庫を3月の年度末に向けて一斉に投げ売りしてくる可能性が高い。5000万円だった都内のマンションでも、最大1000万円くらい値引きしてくるだろう。これまで価格との折り合いがつかずに買えなかった人にとっては大きなチャンスになるはずだ。
 もし、改正建築基準法施行後の新築マンションを買おうとするのなら、工期の長さに注意しておきたい。建築確認に手間取り、その分のしわ寄せが工期に及んで、雑な工事になってしまうリスクも考えられるからだ。余裕を持って丁寧に仕上げるためには「階数×1,5カ月」が必要だ.これ基準に買おうとするマンションの工期と比較してほしい。

環境性能での格付け制度にも注目

 また2009年10月をメドに、何か欠陥があった場合の保証金を確保するため、すべての新築住宅の売り主に保険の加入や保証金の供託金が義務づけられる。従来、住宅品質確保法によって引き渡しから10年間、売り主に囁痕豊住が義務づけられていた。しかし、保険加入の必要はなく、売り主が倒産してしまうと、買い主は泣き寝入りするしかなかった。そこで、「特定住宅瑕疵担保責任履行確保法」が昨年5月に公布され、買い主保護の強化が図られることになったのだ。

 しかし、今後、具体的に決まってくる保険料や供託金のコストアップ分は販売価格に転嫁される可能性が高い。また、法律の対象になっているのは、1500万円超の建築物を扱う建築業者のみだ。その基準以下の格安住宅を扱う彙者の物件を買う場合は、任意の保険に入っているかどうか確認することが大切だ。

 今年は洞爺湖サミットで環壌問題が主要議題になる。直折法律とは閑係しないものの、住宅も環境に優しいかどうかが強く問われ始めるだろう。折しも、国交省の主導で行われている「建築物総合環境性能評価システム」(CASBEE)による住宅の格付けが09年度からスタートする。ライフサイクル、環境品質、環境負荷など総合的に評価するもので、高格付けを得た物件なら資産価値も高まりそうだ。

●山本のコメント
当社は不動産有効利用を仕事の柱の一つとしている。当社のような事務所で扱う土地分譲物件もこの3月半ばから「投売り」に近いものが出始めた。金融機関の「貸しはがし」で持ちきれなくなって値を下げて売り出したと思われる。不動産業界、建設業界、設計事務所の不況は相当のものだ。私の友人の建築家も事務所を払って自宅に引っ込んだケースも数多い。官製不況はあと一年は続くと思われる。

以上


top what's new concept works company site map links contact