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2008年7月25日
■建物を壊さず創意工夫で長く使うのが文化

全国でのマンションストックは約280万戸(持ち家の1割)に達した。しかも過半のマンションが築10年を超え、25年を超えるものも増えている。多くの人々がより良い住環境を求め,過密住宅からマンションに移り住んでいる。
 しかし、せつかく手にいれたマンションは10年に満たないうちから屋根・外壁からの雨漏り,手摺など鉄郡の腐食,給排水・電気設備の性能低下の問題が生じ、マンションの居住者は住生活に支障をきたし、マンションの将来に不安を抱いている。また、管理組合は建物の修繕改修にたいして、適切なノウハウをもつておらず、様々な情報に振り回されている。

マンションの建替え幻想

 多くの場合、マンションの敷地は区分所有者の共有地である。建物管理に携わる人は建物が老朽化し、改修手段と改修♯用の問題が発生したとき、現存の建物を解体して新しい建物に建替えることを思いつく。容積率に余裕があるとき,余裕分を売ることで建設費を賄う。建替えのコンセンサスが経済的な条件によって成り立つことが最低限必要と考えられている。容積率に余裕がないときは高配かない。建てなしは大変難しいのである。

 官公庁の建物、旧住都公団の賃貸住宅などは、比較的早い時期に建替えが行なわれる傾向にある。理由は,耐票性の不備・土地利用・経済効率による。マンションは多くの区分所有者の共有物であるから建替えの事例は少ない。同潤会アパート(昭和初期建設で当初は賃貸,戦後分譲された。)は渋谷のように建替えが終わったところもあるが,築60年を過ぎているにもかかわらず、建替えられずにいるものが多い。

マンション建替えの現状

 団地形成ではない多くの1棟形マンションは旧法規の建設であり、現行法では,容席は半分以下になることもある。以上のことからしても、マンションの建替え計画は多くの間題を抱え、現実性が薄いと考えられる。

マンションの建替えによる諸問題

 現存するマンションは決して理想的な建物でとはその通りである。むしろ長期的な維持管理を考えるとき多くの深刻な問題が存在する。住戸数を増やさないで建替え計画ができれば、(費用を現在の区分全額負担する。)よりよい建物を獲得する可能性は高いと言える。
建替えが成功した事例の中で,一般的な課題の内容をあげてみる。

1.建替えによる資金調達を余剰住戸の売却に頼る場合は、売却の専門家が必要であり区分所有者の利益を最優先に考える専門家集団は少ない。

2.本来、建物は社会財産であり、商品ではない。

3.建替えにより住戸数は2倍以上になる。高密度住戸・日照時間の半減になり、住環境を「売ること」になる。

4.建替え後、従前のように建物の修繕・改儲ければならない。問題解決にならない。

5.巨額な金額が動く場合,様々な権力による利権が横行する。区分所有者(管理組合)は対抗できない。

今後の課題と提案

 マンションの建替えが困難だとすれば,現在住んでいるマンションを、社会変化に適応した住宅セければならないが、環境・建築・内装・各設備改修を卜ータル的に進める必要がある。
 この分野において、建築家の役割が必要とされている。建物を壊すのではなく創意工夫で長く使うことが文化であると考える。それがいま求められている。

以上


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