| 【33・住まいを文化に】 |
「食は文化」と言う言葉がある。ところが「住まいは文化」と言うと不思議そうな顔をする人が多い。自分の住む住まいを文化と呼べる水準の優れたものにするには、どうしたら良いか考えて見た。古来わが国には、住まいについても優れた伝統がある。これをしっかり伝承し、より優れた後世に残る文化遺産といえるものするにはどうしたら良いだろうか。一口で言うなら「古い正しい物を新しい方法で作る」ことにその鍵があるように思う。時代とともに技術も変わり、新しい材料も生まれる。現代人が住む家は古いままの昔の住まいであって良いというわけにはいかない。当然そこに様々の変化があり、新しい工夫が必要になる。その工夫を古いものを正しく生かして行く方法で、工夫して作り上げる精神と知恵と技が必要になる。それが出来る設計者と施工者が住まいを後世に残る文化遺産となしうる資格を持っていると思う。今、設計者や施工者は、依頼者に真の感動を与える精神〈人格〉と知恵と技を持つことが求められていると思う。
日本の伝統建築は木造であり、中国から朝鮮半島を経由して入ってきた建築の大部分のルーツは中国である。真に日本的と言える建築は平安朝の建築と数寄屋建築のみであると私は考えている。その数寄屋の精神と亜熱帯に存在する日本の風土を正しく生かした工夫をこそ見習うべきである。長い軒の出、南向きでない和室,障子、日よけ簾、縁側と言う緩衝地帯こそ伝承されなければならない。南向きの部屋は暑くて、家具も日に焼け落ち着いた空間とは程遠いのである。日本人はもういい加減に南向き信仰から脱却して欲しい。
和風建築は「整い過ぎた白痴美」である。直角やピン角で構成された日本の伝統建築は整い過ぎた人工美の極致である。その美を生かし、障子のような機能的にも空間的にも安らぎを与えるものを多用し、日よけに簾と言うまたとない機能的にも美的にも美しい材料に命を与え、依頼者に「自ら愛して止まない、愛おしい住まい」と言って頂くためには、住まいは何よりも美しくなければならないのである。このことが住まいの真の価値を与え、住む人に満足を与え真の感動を与えると確信している。性能、機能性、合理性、効率最優先、工事費低減の経済論理(それを大人の論理と言う人もいる)だけで、建築が作られて行くのは建築文化にとって望ましくない。真の感動建築をこそ私は設計し続けたいと念願している
また、先月からだが、全国からのご要望にこたえて、「四面採光戸建て風木造2階建て」のマンションプランを開始しました。全国への販売を予定しています。
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